先週末の土曜日、6月20日に奄美大島民謡大観ユライユミ(読み)を開催いたしました。

第一部の輪読会では、参加者全員がそれぞれの知見を持ち合って共有することができたのではないかと思います。まるで、旋律のない歌遊びのような雰囲気でした。

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また、第二部は実際に三味を鳴らして歌遊び。
第一部で取り上げた歌詞は実際に歌われただけでなく、おしゃべりにも飛び出したりして楽しかったです!

ご多用中に参加してくださったみなさま、たいへんありがとうございました。

クバヌユ・プロジェクトでは、このようなイベントを、よ~りよ~り続けていく所存です。

これからもどうぞ気長にゆっくりとお付き合いください。


クバヌユ・プロジェクト主催
「奄美大島民謡大観ユライユミ(読み)」のお知らせ

 シマウタを学ぶ皆様へ

 皆様ご存知の文 潮光(かざり・ちょうこう)著 『奄美大島民謡大観』。
 シマウタのバイブルとも言われていますが、発刊は昭和8年8月で、じつに75年前の書物です。当然すでに絶版で、昭和58年に復刻版が出ていますが、こちらも入手困難です。

 また苦労して入手しても、内容が時代情勢を反映していてわかりづらく、表記も旧字体のままなので、特に若い方にはたいへん読みにくくなっています。加えてシマウタの歌詞の島口は本土出身の方にはたいへん難しいものがあります。

 そこで私たちはこの難しい『奄美大島民謡大観』の内容をできるだけ正確に読むことを目的とした学習会を企画いたしました。主なポイントは以下の3点です。

 1 旧字や当て字を読みくだして意味を正確に理解する。
 2 歌詞の島口を読み解く。
 3 歌詞を実際に唄ってみて、言葉運びを考える(会場では三味線は使用できません)。

 もちろんすべてを完璧に読むことなどできるとは思いませんが、皆で議論しながら、わからない所はわからないものとしてきちんと整理していくことで、今後の課題としていきたいと思います。

 皆様、シマウタ関係者必読の書を一緒に読んでみませんか?

    平成21年5月
                                   クバヌユ・プロジェクト一同

 

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「奄美大島民謡大観ユライユミ(読み)」

日時:平成21年6月20日(土) 午後1時半~5時(開場は午後1時15分)
会場:西池袋・勤労福祉会館 5階 第六会議室 
    豊島区西池袋2-37-4 (電話03-3980-3131) 池袋駅西口下車 徒歩約10分
    http://www.toshima-mirai.jp/center/e_kinrou/

 

【内容】 (どちらも読めるところまで。輪読希望の方はお知らせください)
第一部 1:30~3:00 『奄美大島民謡大観』 総論を読む
     お断り(p12-15)
     総論 「奄美民謡について―その史的ならびに芸術的考察―」を読む(p1-24)
第二部 3:15-4:45 『奄美大島民謡大観』 曲目篇を読む
     朝花はやり節 長節・短節(p133-142)

募集人数:20人程度(定員になりしだい先着順で締切ります)
参加費用:会費 500円 +資料コピー代実費(100円程度) *筆記用具持参
 (『民謡大観』をお持ちの方でコピーが不要の方は事前にお知らせください)
申込み・問い合わせ先:下記アドレスにメールにてご連絡ください。
               yuraiyumi@kunebu.nobushi.jp

 

【なお、午後5時半より「懇親会」を予定しています。三味線持ち込み可能な場所ですので、『民謡大観』に載っていた歌詞を実際に三味線にのせて唄ってみようと思います。こちらも先着順で定員になり次第締切りますので、あわせてお申込みください。費用は実費の割り勘です。】

紙すき体験の感想

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「楽しい!!」の次に感じたことは「思っていたよりずっと簡単!!」
紙すきを体験してみての正直な感想です。
もちろん、要所の大事な過程を職人さんが手伝ってくださったからです。
また、出来栄えもムラがあったり、厚ぼったかったり、お世辞にもいい出来とは言えませんが、見た目はちゃんと紙になっています。

たいした失敗もなく手順をこなして紙すきができたことは意外と新鮮な驚きでした。紙すき体験の後、私は和紙作りを今までよりぐっと身近に感じるようになりました。

私がそのような感想を持った理由は「和紙作りは職人さんにしかできない難しい仕事」という思い込みがあったからでしょう。これは私に限らず、今の日本に暮らす人なら誰にも少なからず同じように思い込みがあるのではないでしょうか?そして、小津和紙の職人さんは、「和紙作りは難しいもの」という既成概念を払拭して、初心者でも失敗せずに紙をすけるように材料を加工したり、手軽な脱水機や乾燥機など機械を整えていらしたからこそ、私でも簡単に紙が出来たわけです。

小津和紙さんでの紙漉き体験を踏まえて考えてみると、今後シマ紙作りを進めていく上でのポイントは次のようなことになるでしょう。

(1)紙すき以外の工程(材料加工、脱水、乾燥)について重点的に研究すること
(2)「和紙作りは難しい」と思い込んでいた背景を考える

実際に紙を作ってみようとしているのですから(1)を含む紙作り工程に関して調べることは当然と言えば当然です。しかし、漠然と全体を調べるのではなく重点的に取り組んでいく工程がわかったのは収穫でした。また、紙作りの物理的な手順だけではなく、(2)についてう少し掘り下げて考えるべきテーマであると気がついたことも、実際に小津和紙さんまで足を運んで体験したからこそ得られた収穫だったと思います。

紙すき体験

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紙ってどうやって作るの?
紙作りなんてまったく知識も経験もありません。
とにかく百聞は一見に如かず。と、いうわけで去る12月4日にクバヌユ・プロジェクトの仲間で紙すき体験に出かけてきました。

場所は日本橋の小津和紙さん。
JR新日本橋駅の程近くにある、江戸の昔から続くとっても歴史あるお店です。

その趣ある建物の、通りに面した明るい一角に紙すき体験コーナーがありました。

紙の原料から加工の工程について簡単に説明を受けた後、いよいよ紙すき体験です。



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(↑)漉き舟といわれる大きな水槽の中で攪拌した繊維をスノコですくい上げます。
紙すきの方法には流しすきと溜めすきの2種類あるそうですが、今回体験したのは流しすきの方です。

液をすくった後は、水平に、一定の速度で調子をとってスノコをゆすります。
ゆすり方は早すぎても、遅すぎてもいけないのだとか。
早くゆすりすぎると薄い紙が、ゆすり方が遅いと紙が厚くなるそうです。
力の抜き加減が何とも難しい!!




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(↑)本来なら漉き上げた紙は一晩自然に脱水させ、翌朝圧搾して水を絞るそうです。
でも今回は体験なので、脱水の工程は機械を使ってスピードアップ。
シュレッターみたいな形をしていますが、掃除機と同じ原理で水気を吸い込んでいきます。

十分に水気が切れたら、乾燥です。
暖められた金属板に注意深く紙を広げます。


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(↑)さらに二枚の紙の間に模様をはさみこんで作る合わせ紙も作りました。
ちょっとしたアーティスト気分を味わえます。

漉いた紙は全部で4枚。
紙の乾燥を待つ間は、併設された小津資料館で貴重な資料を丁寧に案内してもらいました。

いや~、楽しかったです!!

手仕事って文句なしに楽しい。
おまけに担当の方の対応がとっても丁寧。しかもずっと嬉しそうな笑顔なのでこちらも自然に笑顔に。これで体験料はたったの1000円!!
オドロキです。
このお店の方たち、ほんとうに紙が大好きみたい、愛していらっしゃるんですね。




シマ紙の材料を考える

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調べてみると、奄美群島には非木材紙原料として使えそうなものが多くあることがことがわかりました。非木材紙とは木材以外の植物や農産副産物を原料として作られた紙のことです。

特にサトウキビ、バショウ、サネン(ゲットウ)の3つは、紙の原料として注目されていることもわかりました。

まずサトウキビについて。糖汁を搾った後の残りカス(バガス)は世界中の製糖工場から大量に発生するので、紙の原料に比べ集荷・運搬のコストが小さく経済的な紙の原料として世界中で研究開発が進んでいるそうです。

次にバショウですが、琉球では18世紀にバショウ紙の製法が開発されています。
明治に入って衰退し長く途絶えていたものが1978年に復興され、現在も首里で継承されているそうです。

そしてサネン、月桃です。これもやはり沖縄では既に月桃紙の製品開発に着手されていました。サネンの殺菌効果や防虫防カビ効果を生かして壁紙や障子紙などの機能性紙として注目されているようです。

上記3つの植物はいずれも奄美群島の山や集落で普通に見られる植物です。
言い換えれば奄美を象徴する奄美らしい植物と言えます。
でも、島を離れて住む私にはいずれも簡単には入手できそうにありません。
かろうじてサネン(月桃)だけは他の二つに比べると手に入る確率が高そうです。

そういうわけで当面はサネン原料を前提として、シマ紙作りの方法を考えていきます。


シマ紙の条件

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奄美の豊かな森を感じ取ることができる紙「シマ紙」について、私にはひとつだけ明確な条件を考えています。それは非木材紙であることです。

昨日の記事で述べたことと若干重複しますが、
私は手近なコピー用紙やティッシュペーパーを透かして見ると、バリカン刈りに木々を剥ぎ取られ、丸裸に山肌をさらす奄美の山々の姿が浮かんできました。

その理由は、おそらく手に取った紙が木材チップからできた紙だったからです。
私は奄美大島でチップ工場が新たに稼動したのを知っていましたし、
さらに、秋に訪ねた奄美大島で実際にチップ伐採で山肌を露出させた光景を目の当たりにしました。

今後、チップ用の木々を刈り取った伐採地も植林がなされ、きちんと手入れされて林業が持続可能な林業用地として再生されていくのかもしれません。また、チップ工場や島の林業のあり方を批判したり是非を論じることはプログラムの目的ではありません。

しかし、昨年までは確かに緑濃い森であった場所が、すっかり木々がはぎとられ赤茶けた山肌をさらしている姿は、私にとってはとてもショックな光景でした。これからも、木材から作られた紙を見ると、どうしてもチップ用木材伐採地として赤土の地面をむき出しにした奄美の山々の姿を連想せずにはいられないくらい忘れがたいこと光景だったのです。

ですから、私にとってのシマガミ、つまり、深い緑に彩られた奄美の森を連想させる紙は木材以外の原料であることは唯一の、そして絶対に必要な条件なのです。

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「シマ紙・プログラム」とは、「シマの紙」を考え、実際に紙を作ってみようというものです。その試行過程を通じて、21世紀に生きる私たちの求める「豊かさ」のヒントを探ってみたいと思います。

「シマ紙」とはその紙をぱっと見ただけで奄美の豊かな森を感じ取ることができる紙を指す私の造語です。

きっかけは「一枚の紙に雲を見る」という言葉でした。
ベトナムの仏教指導者ティク・ナット・ハンが提唱した「interbe(相互存在している)」という概念を示した言葉です。雲がなければ雨はなく、雨がなければ樹は育ちません・そして、樹なしには紙を作ることはできません。
 つまり、紙が存在するためには雲はなくてはならず、雲と紙は「相互存在している(interbe)」ということなのだそうです。

一枚の紙の向こうに見える雲。その言葉から私が連想したのは深い緑に彩られた奄美の森から沸き立つ水蒸気でした。しかし、ただ言葉の上で紙と雲と樹木という単語に瞬時に結びつく「美しい奄美の森」ですが、実際に手近なコピー用紙やティッシュペーパーを透かして見ても奄美の森が透けて見えることはありません。それどころか逆に木材チップを採取するためにバリカン刈りに木々を剥ぎ取られ、丸裸に山肌をさらす奄美の山々の姿が浮かぶのです。

では、巨大なブロッコリーを丸ごと茹でたかのように、山一面から水蒸気の湯気がたつ保水力豊かな奄美の森を連想できる紙とはどんな紙なのでしょう?
この疑問が「シマ紙」について考え、実際に作ってみたくなったきっかけです。


1.日 時  2008年11月16日(日) 13時半会場  14時開演
2.入場料 2,500円(ワンドリンク付)
3.場 所  ASIVI(奄美市名瀬)
4.プログラム
 「ぽんぽん山の月」 あまんきみこ作 朗読:江草 裕子 二胡:橋本 秀馬
 「スーホの白い馬」 モンゴル民話   朗読:江草 裕子 馬頭琴&二胡:橋本 秀馬
 「しま唄と二胡のコラボレーション」   唄:三味線:前山 真吾・里歩寿、二胡:橋本 秀馬

5.出演者プロフィール
 (1)江草 裕子(旧姓:橋口) 元RNB南海放送局アナウンサー 現在は東京で「ふりーのアナウンサーとして活動中。奄美大島のしま唄の響きが大好き人間

 (2)前山 真吾 石原 久子門下 介護福祉士として働く傍ら、唄者として島内外で活動中。奄美民謡大賞で青年の部最優秀賞など数々の賞をとる。

 (3)里 歩寿(ありす) 中学3年生 平成19年奄美民謡大賞少年の部で最優秀賞 平成20年鹿児島県民謡王座決定戦少年の部で優勝。

 (4)橋本 秀馬 馬頭琴・二胡奏者として活動。小学校・大学などで朗読コンサートを数多く開催。 一昨年より奄美の小中学校で朗読コンサートを開催

問い合わせ先 090-5991-4611(橋本) 
協力 クバヌユ・プロジェクト

 皆さんにお知らせいたします。

  奄美音楽情報の管理人・大橋穣、やちゃぼうねっとの主宰者・鈴木みどり、民俗文化研究所の所員である末岡三穂子の3人で「クバヌユ・プロジェクト」を始めます。奄美における年長者を敬うという伝統に則り、末岡が代表をつとめます。

  皆さんもよくご存知の通り、奄美は琉球王国に支配されていた時期の「ナハユ」があり、その後、薩摩藩に支配される「ヤマトユ」という時期がありましたが、それ以前の奄美を「アマンユ」と言います。私達が今回プロジェクトの名前として選んだのはより古い時代を示す「クバヌユ」という言葉です。

  クバという植物は、ビロウとも言いますが、奄美では古来カミの憑代(よりしろ)として尊ばれていました。またこのクバで家の屋根を葺き、ホウキ、笠、蓑、柄杓などにも使われ、日常生活になくてはならないものとしての時代がありました。それを『わが奄美』の著者である長田須磨さんは「クバヌユ」という名前で著しています。

  クバヌユという言葉に象徴される、奄美の伝統的な智恵を探求し、伝えていきたい――そんな「クバヌユ・プロジェクト」の活動を通じて私たち一人ひとりがそれぞれの人生を豊かにする宝を一つずつ増やしていきたいと考えています。

  皆さん、果報なくとぅ、あらちたぼれ。

     平成20年7月

                                クバヌユ・プロジェクト 代表・末岡三穂子